エンジニアの目標の一つが、フリーランスとして独立して生計を立てることだというのは、決して珍しいことではありません。企業に勤めるのとは違い、フリーランスであれば自分の実力を存分に発揮し、自由に仕事をすることが可能になります。しかしこの自由には、思わぬ弊害が生まれることがあるのです。それが単価交渉です。企業に勤めているときは、自分の仕事への報酬は、給料として毎月決まった金額を得ることができますが、フリーランスの場合、案件ごとに報酬を決める必要があります。それは基本的に自分で決めるのですが、クライアントの希望と合わない場合は、交渉によって報酬を決定する必要があります。これを、単価交渉と言います。
参考単価を事前に決めておく場合は、市場平均や業界の相場を調べ、それを目安に調節することが基本です。あまりに金額が高すぎる場合には依頼が来なくなってしまい、あまりに安すぎると自分の技術を安売りすることになり、依頼が殺到し自分のキャパシティを超えてしまう、いわゆる薄利多売の状況になってしまいます。では、このように決めた基本料金に対し、クライアントが値切りを要求してきた場合はどのように対応すべきでしょうか。
基本的には、クライアントの言うままに値下げをすることはオススメしません。一度低い金額で受けてしまうと、後々適正料金に値上げをする際に契約を切られる可能性もあるからです。一方で、それを事前に説明したうえで、あるいは顧客獲得の戦略として行う場合は、値引きも一つの手段となるでしょう。単価交渉は賢く、戦略的に行うことが、健全な経営の鍵です。